なーんだ、そうだったか~。いえね、さっきから「自分がイラストレーターになったわけ」を
こう上手いことちょろちょろっと書いて人々の感動を誘おうと思ったんだけど、
どーも素敵なエピソードが浮かんでこねえ、と思ってたら。

東京に住みたいなあと思っていたのだった。

憧れの東京。雑誌に出ているあのまちに。道を歩けば芸能人に会い、
縦横無尽に走る地下鉄で雑誌に出ているあの店に10分で行くことのできる
東京に。東京に住んでみたかった。
東京に住むからには理由がいる。実家にいては到底できないような、
華やかな職業につく必要があった。
そこで、まあイラストなら自分でも描けるかなあと、ふと思ったのら。

んでもわかんないじゃん、どーやったらイラストレーターになれるのか、なんて。
もう、まったく、皆目見当つかないのでとんちんかんな絵を描いて知り合いに見せたり
知り合いの知り合いの知り合いくらいの人(編集さん)に絵を見せたりしてました。

が、

仕事なんかこーなーいーんだーこれが。
今なら理由がはっきりわかります。

使えないからです。

小手先でちょこちょこっと誰かの真似して、花やらコーヒーカップやら犬やら
そんなものを色鉛筆で雰囲気だけはいっぱしのつもりで持ってっても、
プロの目で見ればすぐに分かる。使えるかどうかなんて。

…ほんとに甘かったなあ。俺。

ちょこっと絵の授業を受けてたとき、講師の先生が
「イラストレーターというのは、りんごを描いてくださいといわれて、
りんごだとはっきり分かるものを描かなくてはいけない。」と話していて、
そのときは「何でそんな当たり前のことを言うのら?」とものすごく
不思議だったが、今現在痛感している次第です。

例えば、にっこり笑ったかわいい親子の絵は描けても、
「育児に煮詰まった母の悩み。」という絵の依頼があったらどうでしょう。
それがただ眉間にしわの寄った女が子供と一緒にいるだけの絵に
なってしまっていたら「育児に悩んでいる心の苦しみ」が見えない絵だったら
「りんごがりんごらしく見えない絵」と同じことではないでしょうか。

まあ、実際にそんなことを考えられるようになったのは最近のことで。
そのころのわたくしは「なんでイラストの仕事来ないのかなあ。」と
思いながらOLちゃんとして働いていたわけですね。

(東京でのバカ高い家賃を払うには会社勤めをしないわけにはいかなかったんです。
面白い仕事ではありましたが、これは違う、これは私が思い描いていた華やかな
東京生活ではない、とは思ってましたです。)

切望してイラストレーターを夢見ていたわけではなかったんです。
ただ「東京で○○○をしてるの。」って言った時に人様からスゴーイって
言われるような職業につきたいものだ。なぜならせっかく東京にいるのだから、
とバカのように考えていて、それがカメラマンでも役者でもイラストレーターでも
なんでもよかったってことだ。…ほんとに自分の娘がこんなこと言い出したら
ぶんなぐってやるところだ。ケツバットだ。

ところがひょんなことから雑誌にイラストを描くことになりました。

(長くなってきたので続く。)