(イラストレーター修行物語 その3)

しかも実際の支払いは8000円から10%引かれた7200円であったのだ。
イラスト制作にかかった時間で支払額を割ると時給200円ほどにしかならない。
ここここ、これでは生活できないではありませんか。
「にゃー」あああ、てっちゃん(そのころ一緒に暮らしていた)のえさ代も出せないではないですか!むううううう。

夢と現実をはかりにかけて、どっちも欲しいと叫んでみても、貯金のひとつもありゃしない。
猫がにゃにゃーんと泣くばかり。

まるで都都逸だ。

こういったときに、「私は何も要らない。風呂なしトイレ共同の家賃2万の家に越して
イラスト修行をいたします!」という選択もあったのかもしれないが、(実際に友人にも
いましたが)私はそこまでの気概も強さも貪欲さも持ち合わせておらず、それなりに
贅沢も覚え、遊ぶ金も自由になった生活、それになりよりも、
「わたしも26歳…30歳まであと4年…」という現実が重たく重たく、あまりに重いので
夜中に目が覚めると猫が腹に乗ってたりして、もう散々だったのである。

相変わらず「雑誌のイラストを拝見しまして、ぜひうちの雑誌でお仕事をして
いただきたく・・・。」という出版社からの電話もリンともならないので、
ここはしばらく様子を見ましょう。このまま会社で仕事を続けましょう、という
半ばあきらめモードでOL業務を続けることにしたのれす。

(しかし、この頃編集業務にマックが導入され、パソコンの基礎とソフトの使用方法を
これでもかっ!と覚えさせてもらったのは、今大変役に立ってます。イラレとフォトショ。
パソコン教室に通ったようなものだ。それで給料もらって酒までごちそうしてもらったりして
本当にありがとうございました。あきらめモードなんて言ったらばちが当たる。バチバチ)

それからしばらくして、夫と知り合い、あっという間に妊娠して結婚退職することに
なるのだから人生って分からない。人間だものー!

(みつをに叫ばしておいて次に続く。)